プライバシーを守り、安らげる二世帯住宅
コーディネート | すまいポート21大崎 |
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設計・施工 | 東仙ハウジング |
家族構成 | ご夫妻・ご両親・お子様2人 |
敷地面積 | 268.66㎡ (81.26坪) |
延床面積 | 178.03㎡ (53.84坪) |
区分 | 2011.12.18 |
こだわり | 二世帯住宅家事動線 |
設計コンペ開催日 | 2011年12月18日 |
竣工日 | 2012年11月12日 |
掲載日 | 2015年11月05日 |
STORY
Y様のご実家は東日本大震災で被災。
それまで長年暮らしていた家屋が巨大津波に呑み込まれてしまいました。幸いなことにご両親は無事でした。全てを一からやり直そうと決意したY様が、生活復興の拠点と位置づけた新居はY様ご夫婦と2人の子ども、Y様のご両親が一緒に仲良く暮らす家となりました。
最も重視したのが間取り。
当初ご主人は「玄関は南」というイメージをお持ちでした。
しかし、設計担当者は東玄関を提案。結果として「リビングが日当たりの良い南側に設けられて良かった」とご主人もご満悦です。
リビングの壁面にある引戸を開け放つと、多目的スペースが現れます。
ここは3帖ほどの狭い空間ながら、使い勝手抜群。現在はもっぱら子ども達が昼寝に使っていますが、奥にはクローゼットが備えられており、知人や親戚の寝泊まりにも利用できます。
リビングの床より1段高くなっていて、その段差は収納スペースに当てられています。二世帯住宅の場合、各々のプライバシーが問題となりがち。
Y様は必要最低限のプライベート空間を確保しつつ、ご両親への気配りも忘れません。
「まだまだ元気な両親がいつまでも暮らしやすいように、10年先20年先まで見据えた家がほしい」とのY様のご要望は、様々なアイディアに反映されています。
ご両親の居室は、畳敷きに堀ごたつ、専用のミニキッチンが備えられています。
一角には書物やパソコンが置かれ、ここがY様のお父様専用スペース。
部屋の中でここだけ凹ませることにより、扉がなくても充分にプライバシーが保たれています。
勝手口から入ってすぐ、全長2mほどの腰高の木製棚が設けられています。この棚の上にお子さんが本を広げ、キッチンのお母さんと会話を楽しんでいます。
こうした母子のちょっとしたコミュニケーション空間は、奥様が特に希望されました。
震災を機にご両親との完全同居を決意されたY様。
「ひとつ屋根の下で二世帯分離では、一緒に暮らす意味がない」とのお考えは、住まいの隅々に盛り込まれています。家族の復興拠点となる住まいで、日々コミュニケーションの輪が広がっています。