機能・収納・動線を重視した快適で暮らしやすい家
コーディネート | すまいポート21宇都宮本店 |
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設計・施工 | マスケン |
家族構成 | ご夫妻+お子様 |
敷地面積 | 283.75m2 (85.83坪) |
延床面積 | 152.27m2 (46.06坪) |
区分 | 新築 |
こだわり | 二世帯住宅収納子育て家事動線 |
設計コンペ開催日 | |
竣工日 | 2011年06月26日 |
掲載日 | 2011年06月26日 |
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外観
窓に沿ってデザインされた縦のラインがシャープな印象の外観
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LD
ガラスブロックはシューズクロークに光を入れる効果も
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異素材を用い、ダークブラウンでコーディネートされた落ち着いた空間。 LDKと縁側の仕切りは障子を真ん中に両側を建具で挟んだ両面枠。両側に建具があるため、裏表がなく、障子を張り替える必要もないすぐれもの
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LDK
LDKの障子を開け放った写真。見比べてみると、冷暖房効率の違いが一目瞭然。夏は窓を開けるだけで風が抜ける構造になっているのでエアコンいらず!
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玄関
ご両親が楽に靴が履けるようにと、玄関にベンチイスと手すりを設置。玄関奥には大容量のシューズクロークも。見せる収納と隠す収納が分かれていてスッキリ
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縁側兼廊下
吹抜けの縁側兼廊下。風がふわっと家中に流れ、太陽がぽかぽかと体を温める。縁側って気持ちいい
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柱の上部に「鏡」を貼り、目の錯覚で柱と天井の間に隙間があるように見せる。施工会社の設計士が提案したおもしろいアイデア
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さまざまな場所に市松模様を使っている。寝室のアクセント壁は大胆な市松模様に間接照明でモダンな印象に
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子ども部屋
欄間が光を取り込む2階の子ども部屋。お子さんが成長して巣立ったら、引き戸をはずしてセカンドリビングにする予定
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サニタリースペース
真似をしたいサニタリースペースの収納テクニック。洗面台下に各自の引き出しを設け、使うたびに洗面道具を出し入れする。ゲストも使う場所という配慮によるもの
STORY
黒と白でデザインされたスタイリッシュな外観
リビングで歌を歌っているお嬢さんと奥様の楽しげな声が2階にも届く―。
「いい家だな」。
きっと訪れた誰もがそう思うことでしょう。
この家には、家族が仲良く、快適に過ごせるアイデアがたくさん詰まっています。
M様邸は、ご主人、奥様、お嬢さんの3人家族で、数年後に奥様のご両親との同居を考えての住まいづくりでした。
二世帯住宅ではなく、ご両親も家族の一員としての同居。
「二世帯住宅は考えていませんでした。リビングに全員いるというのが基本。大人みんなで子どもの成長を見守れるというのが理想だと思っています」
とご主人。
しかし、義理のご両親との同居では、パンツ一枚でくつろぐというわけにはいかないのでは?と聞くと、「大丈夫です。本当の親子みたいですから」と笑顔。
その関係の良さが住まいにも表れています。
1階はLDKと水まわり、ご両親が暮らす予定の2部屋、吹き抜けの縁側兼廊下。
2階は子ども用の2部屋、大きなウォークインクローゼットと寝室という5LDK。
1階は仕切りが障子、2階は引き戸で、どちらも開けばワンフロア、閉じれば個室という造りです。
外の空気が心地いい季節には仕切りを開けて開放感を味わい、暑さ寒さが気になる季節には閉めて冷暖房効率を上げるという、自由度のある設計となっています。
住まいづくりにおいて、デザイン担当はご主人、機能担当は奥様と役割分担が決まっていたM様。
特にきれい好きな奥様の機能へのこだわりは目を見張るものがあります。
30~40年先を見据えて、快適に暮らせるものを選び、メンテナンスに費用や手間のかかるものは潔く却下。
例えば畳は劣化や虫・カビなどの心配があるため、和室を設けず、ご両親の部屋も含めて全室フローリングに。
魅力的だったウッドデッキも耐久性の問題からパティオに変更しました。
水まわりは床も壁紙も汚れ防止機能付き。壁紙はカタログを渡されたときから、機能壁紙コーナーしか見ていなかったという徹底ぶりだったそう。
また、1階の仕切りに使われている障子には、見た目が美しい上に張り替える必要がないという両面枠を取り入れています。
物干し場となっている縁側も、そのまま洗濯物がたためる広さを確保。
暑さ寒さをしのぐ役目だけではありません。
2階の子ども部屋には欄間を設置。昼間電気を付けなくてもいいように、明かり取りの役目をしています。
収納も、キッチンはもちろん大小合わせて12ケ所もあり、全く収納家具要らずです。
「生活重視なんです」という奥様の言葉通りの家。
けれど、無機質になりがちな機能面にデザインを融合させることで、毎日の暮らしを豊かなものへと変換しています。家族がいて、日々の生活があって、家がある―。
原点に帰って造られた家は、住む人をほがらかに包んでくれることでしょう。