中庭のある、生活動線を工夫したL字型の家
コーディネート | すまいポート21宇都宮本店 |
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設計・施工 | タカオ設計 |
家族構成 | ご夫妻+お子様 |
敷地面積 | 463.04m2 (140.00坪) |
延床面積 | 128.34m2 (38.74坪) |
区分 | 新築 |
こだわり | 中庭介護・健康家事動線 |
設計コンペ開催日 | |
竣工日 | 2012年04月30日 |
掲載日 | 2012年04月30日 |
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外観
屋根・外壁ともブラウン系でコーディネート。 片流れの屋根は、それぞれに方向と勾配に変化を付けた
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”平らな暮らし“を基準に考えた、末永く住まうための家
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LDK
2階の子ども部屋からLDKを覗くと、天井高6mの大空間が広がる。吹き抜け部分は12.5畳分もあり、子ども部屋よりも広い
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和室
玄関を入ると4畳半の和室(客間)がある。三方が引き戸なので、普段は開け放してリビングの一部に
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カウンターキッチン
背面に大容量の収納スペースを造り付けたカウンターキッチン。食器や調理器具はもちろん、冷蔵庫もこのスペース内に収まる
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キッチン
引き戸を閉めれば、キッチン周りはシンプルな空間に早変わり
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外観
L字型の家屋の内側は、ライムカラーのタイルを敷き詰めた中庭テラス。広さは20畳分もある
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階段室
室内の物干し場を兼ねた階段室。右手前が生活動線の引き戸、その奥が家事動線の引き戸
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一直線でつながる家事動線。ウォークインクローゼットからパントリーを望む。室内は全室バリアフリー設計
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主寝室
壁の一部をブラウン系でデザイン。落ち着いた趣の主寝室。左側のはしごはロフトへ
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主寝室のロフトは「子どもの秘密基地」など、自由に使えるフリースペースに。窓の外は2階ベランダにつながる
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子ども部屋
2階はロフト空間のような子ども部屋。2部屋に間仕切れるようにコンセント、シーリング、ダウンライトは設置済み。正面の窓の外はベランダ
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ベランダ
ベランダは方向と勾配に変化を付けた屋根により、周囲の視線が気にならない空間に。洗濯物も気兼ねなく干せる
STORY
生活スタイルの変化に合わせて自由に変える間取り
ご主人の実家は歴史のある昔ながらの日本家屋。江戸時代より続く名家で、かつては茅葺き屋根の風情ある佇まいだったそうです。
伸びやかな平屋建ての住まいに育ったご主人の家に対するこだわりは、生活動線などの機能性・快適性を重視し、かつ、長く住まえる空間設計であること。
縁あって求めた土地は140坪という破格の広さで、ご夫妻が理想とする暮らしを表現するには十分です。
「家族のライフスタイルの変化に重点を置き、子どもたちの成長と、独立して家を離れてからのことを考慮し、設計プランを練りました」とご主人。
一般的な住宅の多くは、2階に主寝室と子ども部屋を配しますが、この家の2階は子ども部屋のみ。しかも、部屋といっても1階LDKの吹き抜けとつながるロフト的な空間で、何にでも使える自由度の高いスペースです。
「個室がほしい年頃になったら部屋を間仕切り、その後、子どもたちが独立しても2階部分が無駄にならないよう設計しました。夫婦の主寝室を1階に配したのも、歳を重ねてからの暮らしやすさを想定してのことです」
外観上は2階建てですが、限りなく平屋建てに近い住まいと言えそうです。
また、暮らしやすさを念頭に置いた室内空間の動線も、ご夫妻のこだわりの一つです。
例えば、1階の勝手口より続くパントリー(食品庫)、キッチン、室内の物干し場、水まわり(トイレ・洗面所・浴室)、ウォークインクローゼットまで、引き戸を開け放つと一直線でつながる「家事動線」にムダはありません。
それとは別に、LDKから中庭テラスを横目に主寝室まで、L字型につながる「生活動線」も確保されています。目的に合わせて、室内空間が一筆書きのようにつながる理想的な設計プランを導き出すまで、建築会社の担当者と膝詰めでとことん話し合ったとか。
ご主人はこう振り返ります。
「住まいの基本は『暮らしやすさ』だと思います。私たち夫婦は、華美なデザインや最新の住宅性能よりも、家事動線や生活動線を優先させました。日々の暮らしを『平面』で考えることで、末永く暮らせる設計プランが導き出せたと思っています」
将来を見据え、長いスパンで考える家づくり。
基本に立ち返ったご夫妻の視点は、これから家を建てる人にとって大いに参考になりそうです。