車椅子で快適に過ごせるバリアフリー住宅
コーディネート | すまいポート21宇都宮本店 |
---|---|
設計・施工 | ケーエムハウス |
家族構成 | ご夫婦+長女 |
敷地面積 | 231.86m2 (69.99坪) |
延床面積 | 123.73m2 (37.35坪) |
区分 | 新築 |
こだわり | 介護・健康家事動線趣味 |
設計コンペ開催日 | 2012年09月01日 |
竣工日 | 2013年04月27日 |
掲載日 | 2013年04月27日 |
-
外観
ダークブラウンとオフホワイトでデザインされた瀟洒な外観
-
インナーガレージからスロープ付きの玄関まで、 雨に濡れずに移動できる
-
木製階段
吹き抜け空間に映える木製階段。 シャープな鉄製の手すりが存在感を高める
-
車いす用のスロープ
玄関の車いす用のスロープを通って、リビング&ダイニングまでスムーズに移動できる
-
玄関スペース
アートギャラリーを思わせる、機能性を加味した玄関スペース
-
サンルーム
リビング&ダイニングから続く廊下に設置されたサンルーム。寒さが深まるにつれ、ここが特等席に
-
リビング&ダイニング
明るく、風通しのよいリビング&ダイニング。車いすでも傷つきにくい無垢板のようなフローリング材は、幅広タイプのもので移動もスムーズ
-
キッチン
ダイニングの後方はキッチン。大きな天窓から光が注ぎ、照明なしでも明るい。2連配したガラスの飾り棚からも光が漏れる
-
飾り棚の縦縞のガラスは、旧宅の扉にはめ込まれていたもの。現在は造られていない、いわばアンティーク品をよみがえらせた
-
住空間の至る所に施主様の作品を展示するスペースを設けた。写真はトイレ内の飾り棚
-
白い壁にオレンジ色のロールスクリーンが映える2階の客間
-
トイレ
1階トイレの床もリビング&ダイニングと同じフローリング材。バリアフリー設計で、車いすでも入れる
-
浴室
ゆったりとお風呂が楽しめるように、浴室は広さや高さに配慮。車いすも入れるバリアフリー設計に。天井面に浴室暖房も完備した
STORY
車椅子用のスロープを設けて家中の移動もらくに
なだらかなスロープのある玄関を入ると、真っ白な吹き抜けの大空間。正面の大壁には、100号の油彩画が掛けられていました。
80歳代の施主様は、かつて美術教師を務め、著名な芸術家を輩出する美術団体で長きにわたり活動。体調を崩す数年前まで、同人のひとりとして絵筆をふるっていたそうです。
「建て替え前の住まいは、築50年ほどの木造2階建てでした。必要に応じて増改築をしながら住み続けてきましたが、床にゆがみやきしみが生じたことと、昔ながらの家は段差が多く、車いすを使うことになった父にとって暮らしにくいことから、思い切って新築することに決めました」
と長女のHさんは話します。
新しい住まいへのこだわりは大きく3つありました。
まずは、施主様の代表作である100号の油彩画が掛けられるギャラリースペースを確保すること、次に、車いすでも快適に過ごせるバリアフリーの居住空間であること、最後に、明るく風通しのよい設計であることです。
また、同居する長女Hさんは、母親とともに父の介護にあたる中で、自身のプライバシーを確保しつつ、家族との程よい距離感が保てる自室を希望。
吹き抜けの玄関から続く階段を上がった2階に、寝室と客間を確保しました。
バリアフリーの視点でY様邸を見ると、そこかしこに工夫が凝らされていることがわかります。
先に触れた玄関前のスロープは、車いすに座ったまま、車庫から玄関扉まで雨に濡れずに移動できます。
室内に入ると、広々とした玄関には、上がり框(かまち)の隣に車いす用のスロープが配され、リビング&ダイニングまでスムーズに移動できます。施主様の生活動線を考慮して、引き戸や廊下はすべてワイドに。浴室・洗面所・トイレ等の水まわりも、ゆったりとしたスペースを確保し、定期訪問するホームヘルパーの入浴介助もスムーズになりました。
新しい家に暮らすようになってから、施主様は朝起きると決まってギャラリースペースの作品を鑑賞してから食卓に付くそうです。
快適な居住空間が実現したことで、これまでよりも行動範囲が広がり、表情も明るくなったとか。一方、家族にとっては徹底的にバリアフリーにこだわったことで、日々の介護がしやすくなり、負担が軽減されたそうです。