4、和室のたたずまい
公開日 : 2018.8.17
伝統的和風の家研究レポート日本の和室ほど住む人の精神状態をリラックスさせるものはない・・・。
最近の若い人の中には、和室を見たことも触れたこともないという人がいるかもしれないので、簡単な説明からします。
和室とは伝統的な日本の家屋に特有の畳を敷き詰めた部屋のことですね。畳の敷き方にもしきたりがあるそうです。4畳半(小説のタイトルにもなるぐらい)とか6畳とか呼ぶように、その畳の敷かれた枚数で部屋の大きさを表していますが、今ではなかなかそのような呼び方を耳にしません。そして、大方、和室のどこかには床の間があるものです。(私の親戚に畳や営んでいる人がいるのですが、最近ではめっきり仕事がなくなったと嘆いています)
空間は、障子や襖(ふすま)で囲まれています。青木邸もこの典型です。襖は部屋の仕切りとなっていることが多く、多少重量感があります。子供の力ではなかなか容易に動かないこともあります。
私のもとの家には、今でも目に焼き付いていますが、山水(風景)画が描かれていました。そして、障子は、空間が完全に断絶されているとも、いないともいえる曖昧なおぼろげさを醸し出していて、東洋的な幽玄な明かりを演出しているようです。そう言えば、「壁に耳あり障子に目あり」といった言葉もありましたね・・・・。
和室はさらに机や座布団、寝具などの出し入れで、会食から団欒、書斎、寝室とその用途をさまざまに変えることのできる多目的空間にも作れています。日本人の生活の知恵といってもよいでしょう。事実、私が育った和室は小学校のころは勉強部屋でした。大人になってからは寝室のみの利用となりました。
欄間(らんま)にはいろいろな意味、いや、価値があるのです。私も理解していたわけではありませんが、棟梁のはなしでは、採光、通風、そして、装飾といった意味があるとのこと。
この欄間、一つをとっても、いかに日本の建築がすぐれているかを如実に表していると思います。壁は和風壁で有名な京壁(京土壁)です。
この天井は無垢の天井板です。
昔は結構二間続きの和室があり結構使われていましたが今の住宅は和室が殆どなく使われる量もめっきり少なくなりました。現代の一般住宅の多くが杉貼の目透し天井であり、その杉材は産地によって、秋田杉・春日杉・霧島杉などの名称で呼ばれていますね。栃木県では日光杉となります。
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