伝え続ける日本食

伝え続ける日本食

地産地消は大切です

わたしたちの住む日本は、四方を海で囲まれた小さな島国です。
日本列島の中央に山脈が連なり、春・夏・秋・冬の美しい四季の中で毎日暮らしをしています。冬には山に雪が降り、春になると山からの雪解け水が川になり、梅雨時期に大地を潤し、農業が営まれます。その四季にあわせた旬の野菜や魚があります。
日本人は、米を主食として旬の野菜・魚を食べることにより『日本食文化』を築くことができたのではないかと思います。その軸ともなるのは『地産地消』です。地域の食材で食事を作ることを、こども達に伝えていきたいと思います。

食材のルーツをたどる

毎日の食卓を整えるために、みなさんはどこで食材を調達しますか?
スーパー等に買い物に出かけて新鮮な食材を手に入れる人、家庭で収穫したものや漁でとれたものをいただく人…様々だと思います。ほとんどの人が、スーパーや宅配・インターネットを利用して調達しているのではないでしょうか。
スーパーには季節を問わず、新鮮な野菜が並んでいます。手にした食材が、どのようにしてたどり着いたか考えてみたことがありますか?
先日、アスパラガス・かぼちゃ・きゅうり・茄子を手にしてみました。アスパラガスは『メキシコ産』、かぼちゃは『ニュージーランド産』でした。日本と反対の南半球にある国は四季も逆なので、日本では収穫できない食材が収穫できるのです。そして、輸入されてわたしたちの手元に届くのが実態です。
きゅうり・茄子の旬は夏。それ以外の時期のものは、ハウス栽培です。旬に収穫された露地栽培のものと、温室栽培のお野菜とは栄養価が違います。
一番の心配は、『旬』を知らないこども達が増えてしまうことです。

フードマイレージって何?

食料を輸送するには、燃料(エネルギー)の消費が必要です。食料を輸入してから、消費者の口に入るまでに、食料がどれくらいの距離を運ばれてきたのかを数字で表したのが、フードマイレージです。先ほどのかぼちゃもそうですが、生産地と消費地が遠くなると輸送にかかわるエネルギーがより多く必要になり、地球環境に大きな負荷をかけることになります。メキシコから日本・・・かなりの距離ですね。
残念なことに、日本のフードマイレージの値は、世界中で群を抜いて大きく、国民一人当たりの数値も一位です。
日本のフードマイレージは、韓国・アメリカの約3倍、イギリス・ドイツの約5倍です。食料自給率の低さと共に、フードマイレージの大きさも日本の食料問題の一つなのです。それを改善するためには、食糧自給率を高めることと、食料の生産地と消費地の距離を縮めることだと思います。『地産地消』を軸において、食材を選ぶことの大切さを一人一人が心がけることで、フードマイレージの数値も少しづつ減るのではないかと思います。

野菜と向き合う

近年、農水産物直売所が増えたことが話題になっています。実は、その数がコンビニ ナンバー1の店舗数を超えたそうです。
安全で新鮮な野菜や果物を供給してくれる直売所は、地で採れた『旬』の食材とわたしたちの食卓をつなぐ架け橋となりました。地域経済の振興にも繋がることが期待できると思います。
わたしたち大人が、こども達に食卓を通して野菜の旬を伝えることが重要です。
夏の野菜は、比較的育てやすく収穫しやすいので、家庭菜園を始めることも良いかと思います。
時には、一緒に買い物に出かけて、食材をどのような基準で決めるのか教えてあげましょう。鮮度は、色・光沢・弾力・みずみずしさなどの見分け方があるかと思います。芋類は、芽が出ていないか?傷がないか?葉物はピンとしているか?様々な視点で選んでいます。その上をいけば、野菜の美味しい見分け方まであります。小さなことですが、伝えていかなくてはこども達には伝わりません。こどもには、違いが分かりにくい『きゃべつとレタス』『ほうれん草と小松菜』『ブロッコリーとカリフラワー』『きゅうりとズッキーニ』など、実物を見比べて教えてあげることも大切です。

伝え続ける日本食

わたしたちの暮らしに代々伝わる日本食を、こども達に伝えていくことは大人の役目だと思います。ご飯とお味噌汁、旬の食材や乾物を使用して副菜を作り、『一汁二菜』や『一汁三菜』で食卓をととのえることが小さな食育の第一歩です。
お米のとぎ方やだしの取り方を教えてあげること、それも家庭でこそできる食育です。
小さなことですが、何よりも家族全員が笑顔になると思っています。気負わず、焦らず、じっくりと伝えていきましょう。
日本食

次回は、わたしたちの食生活にかかせない『お米』のこと、『行事食』について発信したいと思います。
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