「リトルプレス」

「リトルプレス」

本のある暮らし【vol.7】

小説、コミック、絵本、図鑑、写真…。
「本」と一言でいっても、世の中には様々なジャンルの本があり、また本の形態も多様に存在しています。私も小さいながらも本屋をしていますが、古本に加え自分がおすすめしたい新書の取り扱いもしているなかで、立ち寄ってくれたお客様から「この本は何ですか?」「こんな本見たことない」と、よくお声がけされる本があります。それが今回ご紹介する「リトルプレス」です。

本の楽しみをさらに深めてくれる今、注目の「リトルプレス」。新しい本のジャンルの開拓で、皆さまの読書の幅が広がりますように。
 

―「リトルプレス」とは

まずは「リトルプレス」をご存じでない方のために、さっそくご説明を。
「リトルプレス」とは、主に個人や団体が企画・制作・発行・流通までをすべて自らが取り行う冊子のことを言います。商業目的でつくられることがないため、冊子に広告がはいることはなく、つくり手のこだわりや想いが凝縮され、その個性が何よりも大きな魅力となっています。さらに少数発行で希少性があること、一般書に比べ価格帯も低めであるのも人気の理由となっているようです。

近年では「リトルプレス」のみを扱う専門店やネットショップがオープンしたり、新書店の一角にもコーナーを設けられるなど、出版業界でも注目の新ジャンルとして定着。つくり手も読み手も増加傾向にある「リトルプレス」、どこかで見かけたときにはお手にとって、自分好みの一冊を探してみてはいかがでしょう。

 

―おすすめの「リトルプレス」

さて、ここで私がおすすめしたい「リトルプレス」をいくつかピックアップしてみました。よろしければ、ぜひチェックしてみてください。

「NORHA」 http://norahnorah.jp
晴耕雨読を実践するファーマーたちの知恵や、作る人と食べる人が出会うマーケットで拾った声、農業に限らず、都市の中で身の丈に合った小商いやスモールビジネスを営む人々のアイデアなど、自由気ままに人間らしく、自然のリズムと共に生きる「野良」な人々との出会いやつながりの中から誕生した季刊誌。印刷の余り紙を利用しているため12パターンの本誌が存在し、それぞれに紙の風合いに違いがあるのも紙好きにはたまらない魅力です。
 
 
「Hemisphere」 http://aaltocoffee.com
徳島県にある珈琲豆店「aalto coffee and the rooster」のコーヒーロースター・庄野雄治さんによって制作された「リトルプレス」。CD付きなのも嬉しいポイント。
『本と音楽とコーヒーがあればいい。言葉にすると陳腐な感じだけれど実際そうなのだから仕方がない。毎日は案外大変で生きていくのは結構くたびれる。だからこその本と音楽とコーヒーなのだ。(本文抜粋)』
 
エッセイストの中川ちえさんや、誠光社(元恵文社一乗寺店)の堀部篤史さんなど様々なジャンルで活躍さている方々も寄稿されていて、本当に豪華な一冊。男性にも人気があるのも納得です。
 
 
「仕事文脈」 http://tababooks.com
おもしろいことを、おもしろいまま本にして、きもちよくお届けする素敵な出版社「タバブックス」。なかでも「仕事文脈」は実に面白い、スパイシーな「リトルプレス」です。地方での仕事のあり方、気になる仕事、女としての仕事、ダメ人間の仕事…。毎号、仕事をテーマにしつつも、人生をも同時に考えさせてくれる、なんとも魅力満載の冊子です。
 
 
その他にもたくさんの「リトルプレス」をご紹介したいところですが、今回はこの辺で…。皆さん、きっとその独特の世界観に夢中になること間違いなしですよ。

 

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