スムーズに生活できる「システム」を作る
私は整理収納アドバイザーという仕事をしていますが、生まれながらの整理収納人間ではありません。小学生時代、となりの席の男の子が教科書をなくした時、真っ先に疑われたのは私でした。普段からなくしもの、落としものがひどかったからです。
「持って帰っていませんか?」と自宅に電話がかかってきました。結局は男の子の家にありましたが、それにしても名指しで娘を疑われたら普通は親も怒るんじゃないかと思うのですが、いつもの私のだらしなさを見ていたので「疑われて当然」みたいな雰囲気でこの一件は終わりました。そんな、クラス1、だらしない子供でした。
そんな人間が整理収納のアドバイス?と思われそうですが、何を言いたいかというと、整理収納というのは几帳面な性格だとかセンスだけではないということです。そうではなく楽に出し入れできる、スムーズに生活できる「システム」を作ってしまうこと。そのポイントは「整理収納レベルや性格、ライフスタイルに合わせる」ということです。
私の心の中のシステム
「システム」作りの最初のステップはまず、モノの買い方・捨て方・もち方など自分のモノとの付き合い方を知ることです。
今の時代、街を歩いているだけでボールペンやうちわ、DMなど色々なモノを手に入れることができます。また、粗品がもらえるとなると使うかどうかはともかくもらってきてしまいます。それでは、着なくなった服や使わない食器などは、同じスピードで手放せますか?
「もったいない」そう思い、なかなか捨てられないですよね。そうしてお家の中がパンパンに太ってしまうのです。それはまさに、摂取と消費のカロリーバランスがとれず太ってしまう人間の体と同じ。
整理は「捨てること」と思いがちですが、その前に「私にとって本当に必要かどうか」を考えてお家へ持ち帰る習慣をつけると、必要なモノや好きなモノを選ぶ目が養われ、徐々に家の中がスッキリし収納がぐっと上手になります。無駄な労力もゴミも減ります。
それが「私の心の中のシステム」を変えるということ。一見、「そんなことで?」と思われますが、これで収納問題の半分は解決です!
収納って多いほうがいいの?
さて、これからお家を建てる、あるいはリフォームをされる方のお話をお聞きすると「とにかく収納をたくさん作って欲しい」というご要望が多いようです。けれども、収納がたくさんあれば家の中がすっきりするかと言えば、答えはノーです。
人間の心理として収納場所がたくさんあればモノを詰め込みたくなるもの。そして、詰め込んだ奥の奥には何が入っているのかわからなくなってしまい、その都度、必要なモノを買うことに。さらに、今ある収納では足りず収納棚を買ってくる、というパターンです。
では、そうならないためにはどうすれば? 「開かずのトビラ」を増やさない、お家の「システム」作りのお話は次回へ…。
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