カラーコーディネートの基本「色彩調和理論」についてふれてみましょう。
「色彩調和理論」はアメリカ発祥の理論です。この理論を基に日本でも様々なカラー理論が派生しています。理論の基本は、「色の種類をイエロートーンとブルートーンのふたつのグループに分けて同じグループの色同士を使用すれば調和する」という、分かりやすい理論です。色の見方を勉強すれば誰でもグループに分けることができます。色が調和した空間の中にいると人は心地よさを感じることができます。逆に色のグループが混ざった空間では居心地の悪さを感じてしまいます。これを個人の色に当てはめることで、さらに色の世界を楽しむことができるのです。
先日、築20年近くたつ賃貸マンションのオーナーからワンルームのリフォーム依頼がありました。
オーナーの要望は、コストを抑えてイメージアップをしてほしいとのことでした。イメージを変えることで、空室をなくしたいという、切なる問題を解決するためです。この要望を解決する秘策として、「カラーを取り入れたリフォーム」をすることにしました。
壁クロスについては、一部の色を変えて張り替えることで、部屋全体のアクセントにしました壁クロスについては、一部の色を変えて張り替えることで、部屋全体のアクセントにしました。その他の壁はある特殊なメイクで、元のクロスを白いクロスにしました。イメージは今人気のナチュラルに決定。いくつかの部屋のアクセント壁をそれぞれ「薄いオレンジ」「イエローグリーン」「淡いブルーグリーン」「イエロー」などに変えてみました。床には清潔感と明るさが出るナチュラルホワイトを採用。しかも、この色には広さも感じさせる相乗効果があります。さらに、部屋に入った時、すぐに見えるミニキッチンはビタミンカラーのオレンジを使って扉の色を変え、キッチンの古さを目立たなくさせました。
今回の賃貸マンションのような場合は、老若男女問わず、あらゆる人に受け入れられる配色を心掛けなければなりません。嫌味が無いように、パステル調の淡い色味でさわやかな空間をつくり、イエロートーンでカラーコーディネートすることで、あたたかな雰囲気にしました。
色から受ける心理的な影響は「温かさ」や「寒さ」を感じるだけでなく、「刺激」や「鎮静作用」、「怒り」や「やすらぎ」など様々な作用があります。
今回は、内装のカラーコーディネートでマンションの空間をリニューアルしましたが、カラーコーディネートでできることは、色を効果的に使う事で部屋のアクセントを作ったり、カラーでイメージのコーディネートができたり、カラーを調和させることで居心地の良い空間づくりができたり、低コストでイメージチェンジができることなど様々です。リフォーム方法としてもおススメですが、新築の際には外部からインテリアまで、色のトータルコーディネートは欠かせません。
トータルコーディネートの秘訣は、建物のイメージを決めることです。そして部屋ごとのイメージも考えてみましょう。家づくりの本を活用して気に入ったカラーやイメージがあったら取り入れてみてもいいと思います。
色による心理的な影響はさまざまです。
例えば、部屋のインテリアを沈静色のブルートーンにするとで、勉強に集中できるようになったり、逆に内装に使用する色が氾濫しすぎると落ち着かなかったり、食欲をそそらせる色や減退させる色、安心感を与える色や恐怖感をあおる色など、色による心理的な影響は大きいものなのです。
不思議なことに、幼い子供たちにも色の好みはハッキリしています。絵を描かせてみると、今の心理状態が反映されることもあります。お子さんが、今どんな色を多用して絵を描いているか、時々気にかけてみてください。
[clink url=”https://www.sumai21.net/press/archives/379″]